子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全
ぱっと見は、 小学生くらいまでの子どもを持つ親向けの本、みたいな感じですけど、
実際は、子どもだけじゃなくてあらゆる人間関係に通じる考え方を示してくれる本でした。
人と話すとき、相手の気持ちを尊重していますか?
自分の気持ちが尊重されないときにどう感じるか。本の中に演習がありました。
●演習2
上司に仕事を頼まれました。すぐにやるつもりでしたが、次々に急ぎの用事が入ってしまい、昼食を取る時間もほとんどありません。なんとか自分の仕事を終えて帰ろうとしたときに上司がやってきて、できあがった仕事を見せてくれ、と言います。
あなたは申し訳なく思いながら、忙しかったことを説明しようとします。
すると上司は怒鳴り声でこう言います。「言い訳はたくさんだ!君は一日中座っていただけじゃないか!いったいなんのために給料を払っていると思うんだ!」
あなたが反論しようとすると、上司は「もういい!」と言い捨てて行ってしまいました。
帰り道、友達に会いました。あなたは思わずその友達に一部始終を話します。
その友達は、8つの異なる方法であなたを手助けしようとします。その瞬間の気持ちを考えてみて下さい。
1.「何もそんなに怒ることないじゃないか。きみは多分疲れているんだよ。笑ってみて」 (気持ちの否定)
2.「まあ、人生なんてそんなものさ。思い通りにいくものではないよね」(哲学的な反応)
3.「どうすべきか教えてあげようか?明日ボスに謝って、仕事を終わらせるんだね」(忠告)
4.「なんでボスの頼みを忘れちゃったの?」「どうして追いかけて説明しなかったの?」(質問)
5.「ボスも上からのプレッシャーで大変なんだよ」(他の人をかばう)
6.「可哀想に!気の毒で涙が出そうだよ」(哀れむ)
7.「君が怒っているのは、上司に父親を重ねているからじゃないのかなあ」(素人心理分析)
8.「ああ、それはつらい経験だね。他の人の見ている前でそんなふうに攻撃されるなんて」(共感)
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ああ~
1から7は、そんなふうに言われたら、きっとモヤモヤが残ってしまう。
言わなきゃ良かったって後悔しちゃう。
でも、人に対しては、ついそんなこと言ってしまってる。
特に子どもに対しては。
8.のように、自分の気持ちに共感してもらえたら、気持ちが落ち着くんだなあ。
この演習で、そのことに気づけました。
共感するってどうしたらいいのかよくわからなかったけれど、こういうことなんだって。
この本には、他にも様々な演習と体験談が書いてあり、親の言葉が子どもにどれだけ大きな影響を及ぼすか、自分の言葉が人にどんな影響を起こすのか、がしっかりと心に深く刻み込まれました。
「お前は頑固なんだから」と言われる子どもは、親の予言通りにますます頑固になります。親が示した役割を演じてしまうのです。
それから解放するための方法も具体的に書いてありました。
子どもに、レッテル通りではない自分の違った一面を見せて、その役割から解放するのです。
わたしも子どもの頃、「あんたはグズだから」ってよく言われてました。
だから、何事にもせき立てられるように急いでやりがちです。
グズだから、はやくしなくちゃって。
いまだにそんなレッテルに縛られていたんだな。それに気づくことができました。
わたしはグズじゃない。
そう思えたことで、自分のことが前より好きになれたみたいです。
子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方 大全
- 作者:アデル・フェイバ,エレイン・マズリッシュ
- 出版社/メーカー: きこ書房
- 発売日: 2013/06/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)