オードリー・タン 天才IT相 7つの顔
気がつくと二ヶ月も空白が。。。久しぶりにブログ更新しま〜す。
「オードリー・タン 天才IT相7つの顔」のご紹介。
台湾の若きIT大臣で、マスクを公平に配布するシステムを作った人。
ニュースで見聞きしていたオードリー・タンに関する情報はそれくらいでした。
不思議な雰囲気の人だなあ、ってのが写真をみたときに感じたこと。(山下達郎?と一瞬見間違えたw)
そこからなんだか気になっていて、Kindleのおすすめに上がってきていたのを読んでみたのです。
本では彼女の7つの顔がひとつずつエピソードとして紹介されています。
ひとつめは、IT大臣としての顔。
台湾にはg0v(零時政府・ゼロガバメント)というシビックハッカー、すなわち市民の政治参加に関心を持つプログラマー7000名以上からなるコミュニティがあって、タンも設立当初からここの主要メンバーでした。
マスク配布アプリが計画からなんと3日でリリースできたのは、このコミュニティの協力があってのことだったそうです。
オードリー・タンはIQ180の天才ハッカーと言われてるんですけど、この本を読んで感じたのは、彼女の共感力の高さでした。
どんな相手に対しても理解しようと努め、敵対ではなく協力関係を結ぼうとする態度が徹底しているのです。
タンが作ったシステムに、通称JOINと呼ばれる「公共政策プラットフォーム」があります。ここでは市民の誰もが政策を提案でき、それに5000名以上の署名が集まれば提案者が招かれて関係部会と対話できるようになっているんですって。タンはファシリテーターとして官民間の意思疎通を図り、実行可能で有効な政策が生み出せる場所を作っているのです。
エピソード2から6は、オードリー・タンの少年時代から現在までが描かれています。小学校ではいじめなどにあって登校拒否。台湾では日本よりも登校拒否に対する風当たりが強かったそうで、父親が留学していたドイツに家族で引っ越し。子どもの成長を育む環境でのびのびと学んだタンは、そのまま中学に進学するかと思いきや「僕は台湾に帰って教育を変えたい」と戻り。
中学卒業後は、「内なる心の呼び声」に従って、高校へは進学せずにITの道でパイオニアになることを選んだのです。
14歳のタンはプログラミング言語Perlのコミュニティに参加。メンターや仲間と出会い、ネット空間やリアルの場所で、伝説的な人物からも学びを深め、彼自身が伝説となっていきました。
24歳で性別を超えて女性となり、35歳でデジタルIT大臣に。
彼女は詩人でもあります。
デジタルIT大臣の仕事は?との問いに答えた彼女の詩をご紹介します。
モノのインターネット(IoT)があるなら、ヒトのインターネット(IoB)も作ろう
仮想現実を見るなら、それを共有現実にしましょう
機械学習をするなら、それを協働学習でやりましょう
ユーザー体験は、人としての体験に変えましょう
シンギュラリティの足音が聞こえたら、わたしたちのプルラリティ(多元性)を思い出しましょう
人とのつながりをほんとうに大事にしているんだなあ。
冷静でとてもクールでなんだけれど、どんな人の意見にも耳を傾け、最善の道をみんなで探していこうとしているのです。
こんな人がいたなんて。
明るい未来を予感させてくれました。