マリマリのブログ

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「無理」の構造~この世の理不尽さを可視化する

「無理」の構造 ―この世の理不尽さを可視化する

 この世の理不尽さは、対称に見えるのに実は非対称なものが多いからなんですって。

簡単な例で言うと、”上”と”下”。

”右”と”左”は対称だから鏡に映すと入れ替わるけど、”上”と”下”は入れ替わらない。

上にあるものが落ちてくることはあっても、下にあるものが上にあがることはない。

自然にはね。

そしてこれは、”地球の上という重力場”という前提があって起きている非対称性。

 

そんな切り口で、世の中の理不尽さをかみ砕いて説明してくれる本でした。

 

1:9の法則。

世界を発展させているのは能動的で革新的な少数派だけど

実際の世界は受動的な多数派の論理で動いている。

変革を起こすスタートアップ企業は尖った人が多くて組織もフラットだけど、企業規模が大きくなるにつれて、安定をめざして階層を作らないと維持できない。

それは「大企業病」と言われるけれど、病気でも何でもなくてあたりまえの話。

そうなのか!

 

のこぎりの法則

自然に任せていると増える一方で、減少させることが難しい現象。

ルールや規則、会議、チャンネル、スマホのアプリ・・・

増やすのは簡単でも、減らすには勇気と覚悟と長い時間が必要ですって。

確かに。

 

折り曲げの法則

 「成功」の反対は「失敗」?

右端に「成功」、左端に「失敗」と書いてある長細い紙を真ん中で二つ折りにすると、「成功」と「失敗」はリアルに”紙一重”になって、反対側には「何もしない」がくる、

つまり「成功」の反対は「失敗」ではなくて、「何もしない」こと。

ふむふむ。なるほどね。

 

公平という幻想

成績や能力を公平に評価する方法などはこの世に存在しない。

誰もが、「自分が高く評価される基準」こそが公平な基準であると思っているから。

世の中は基本的に不公平である。だからこそ、与えられた公平ではない環境の下で努力することに意味がある。

比較対象は他人ではなく「努力しなかった自分」。

ああー、そうかもー。

 

 

 

全体像という幻想

視野の狭い人は、自分の視野の狭さに気づきようがないのが最大の問題。

部分最適でなく全体最適を考える」と言われても全体が見えてないことには考えようがなく、理不尽なことがいつまでたっても解消できない。

耳が痛いなあ。

 

啓蒙という幻想 天岩戸の法則

気づいてない人に「気づかせよう」と教育をしても、無駄な努力に終わることがほとんど。それは、(気づきの)扉は内側からのみ開けることが可能で、外側からはどんなに努力しても開けることはできないから。これが、天岩戸の法則。

外の人にできるのは、中の人に「楽しそうだからちょっと見てみよう」と思わせることだけ。

思い当たるフシあります。

 

無駄な努力も多少だったら経験になるからいいと思うけど、そればっかりになってしまうと「不公平で理不尽な世の中」をはかなむことになっちゃうな。

うまくいかないときは、手を変え品を変え、ちょっと違う視点で見てみよう。

 

kindle unlimitedでした。