ミライの授業
14歳に向けて書かれた本です。
中学生になった気分で読んでみました。
まあ、なかみはそんなに変わってないし。
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未来をつくろう。
君たちが望む未来を。
どんなに苦しい環境に追い込まれても
たったひとりになっても
世界をひっくり返すことはできる。
そのためにわたしたちは学ぶのだ。
未来をつくるために、歴史を学ぼう。
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ってなわけで、未来を変える法則が5つ、歴史上の偉人のエピソードを例に挙げて解説してあります。
戦場での戦死原因の多くは、戦闘によってではなく劣悪な環境での感染症によるものであることを統計学によって証明し、世界の医療・福祉体制を大きく変えたナイチンゲール。
(法則1 世界を変える旅は「違和感」から始まる)
高校教師から一念発起して大学に入り直し、アメリカ留学でもあえて知名度の低い大学を選び、帰国後にも競争の激しい人間用新薬の研究ではなく動物用新薬に対象を絞り、「画期的な動物用新薬を作ればやがて人間にも応用できるはず」という仮説を証明してノーベル賞を取った大村智。
(法則2 冒険には「地図」が必要だ)
日本国憲法に「男女平等」という概念を持ち込み、男尊女卑で女性が虐げられていた日本社会を、たった一行のルールでひっくり返したベアテ・シロタ・ゴードン。
(法則3 一行の「ルール」が世界を変える)
伊能忠敬が日本中を測量して正確な地図を作り上げたのは、天文学の師である高橋至時とともに「地球の大きさを知りたい」という夢のためだった。
(法則4 すべての冒険には「影の主役」がいる)
国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)のお飾り代表だった緒方貞子。湾岸戦争の際に起きたクルド人難民問題に対し、彼女はシロウトの立場から「国内に残っている限り迫害を受けても難民とは言えない」というこれまでの常識をひっくり返して彼らを救ったのだ。
(法則5 ミライは逆風の向こうにある)
他にも魅力的な歴史上の人物が、グッとくる名言とともに紹介されています。
マーガレット・サッチャーが父アルフレッドから繰り返し言われていた言葉が一番響きました。
「ほかの人がやっているから、というだけの理由で、何かを決めてはならない。何をするかは自分で決めなさい。そして、自分の決断についてきてくれるよう、まわりの人間を説得しなさい」
世界を変えるのはいつの時代でも新人である。
賛成する人がほとんどいない、大切な真実。
それをだいじにしていこう。
実年齢は関係ないのだ。
緒方貞子さんがUNHKRの代表になったのは63歳なんだから。
そういう意味でも勇気をもらえる本でした。
14歳でなくても、ね。