呪いを解く言葉
4年前は見そびれていたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。
今回、コロナウィルスの影響で特別編が再放送されまして、ようやく見ることができました。
いやあ、とにかくよくできたドラマ!
タイトルの「逃げるは恥だが役に立つ」ってハンガリーのことわざだったって知ってました?
「生き抜くためには恥ずかくても時には逃げることが大切だ」
戦う場所を選べ、ってことなんですって。
そう、負けそうだと判断したら、逃げるのが正解。
だけど、負けるかどうかもわからないうちから、自信がなくて逃げ腰になってしまう。
そんなひとたちに向けたドラマだと思いました。
一番印象に残ったのは最終回。
石田ゆり子の百合ちゃん(49歳独身キャリアウーマン)が、年齢マウンティングする若い女の子に言った言葉にはしびれました。
「今あなたが価値がないと切り捨てたものは、この先あなたが向かっていく未来でもあるのよ。自分がバカにしていたものに自分がなる。それって、辛いんじゃないかな。
私たちのまわりにはね、たくさんの呪いがあるの。あなたが感じているのもそのひとつ。自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい。」
そうだ。わたしを縛っているのは、自分で自分にかけてしまった呪いなのかもしれません。
ガッキーのみくりちゃんも、自分にかけられた「小賢しい女」という呪いを、星野源のひらまささんに解いてもらってました。
「小賢しいって、それは自分より下に見ているってことでしょ? 僕はみくりさんのことを小賢しいなんて思ったことは一度もありません」
自分がいやで恥ずかしくてたまらなくて隠そうとしてきた本性を、まるごと受け止めてくれる言葉。
その言葉で呪いは解けたのです。
そう、この言葉を聞くためにこれまでの長い物語があったんだなあって、そんなふうに思ったのでした。