信大クリスタルとサイボーグと機械学習
昨日、信州大学・手嶋勝弥教授の講演会を聞きました。
タイトルは「フラックスが拓く無機マテリアルイノベーション」
なんのこっちゃ?
ぜんぜん期待してなかったんですが、半分おつきあいで聴きに行ったんです。
そしてら、これがすごくおもしろいのなんの。
フラックス法ってのは、食塩水から塩の結晶を作るみたいに
溶かして、冷やして、結晶を作る方法だそうです。
サファイアやルビーなんかもつくれるんですって。
プラチナにルビーの小さい結晶をコーティングする方法をみつけたので
ご自分の結婚指輪をルビーコーティングしようとしたら
うまくいったんだけど、リングの内側にもコーティングされちゃって
指に入らなくなったとか。
あるいは、水から有害な重金属を取り除く機能を持つ結晶を使って、簡易浄水ボトル「NaTiO」を開発。
テストマーケティングに出したらメルカリで売られてたとか。
アフリカのタンザニアの水をきれいにするプロジェクトにも参加しているんだそうです。
タンザニア政府に認めてもらうため、この分野での論文数が信州大はトップだってことをアピールする資料を見せてくれました。
その資料がいい感じなんです。色使いが素敵で、絵もかわいくてわかりやすい。
デザイナーがメンバーにいるらしいです。プレゼン力も重要。
他にも、体に埋め込む人工関節や人工心臓なんかのデバイスに、生体適合性の高い成分をコーティングする技術が「サイボーグプロジェクト」として展開中だったり、
電池材料を結晶化することで密度を上げて性能アップする研究とか。
地方大学は、トップ大にはまともに戦ってもかなわないから、ニッチな部分で世界ナンバー1を目指してるんです、と。
もう、聞いているだけでわくわくして元気になってきました!
現在、機械学習を使って新しい結晶の開発を進めているんだそうで、機械学習の専門家を呼んで勉強会をやっているとか。
それも、「サルでもわかる」じゃなくて、「サルでもできる」機械学習。
遠くない将来、これが使えることがパスポートのようになるはずなんですって。
ちょっと、これはやってみなくっちゃ。
研究室はタコツボになっちゃいけない、外部とのネットワークが大事、
オレオレからわれわれへ。
自分でなんでもやろうとせずに、得意な人と組んで一緒にやりましょう。
そういう強いメッセージを受け取りました。
やっぱり、未来は明るいな。